台湾語とは


  1. 台湾語の位置づけ

    台湾人が日常的に使用する言語は大きく2つあります。1つは台湾における国語[グォユゥ]となっている台湾普通語[プゥトンフア]です。これは中国大陸で使われている北京語とほぼ同じものです。ほとんどのテレビ番組は台湾普通語で放送されており、学校などではこの言葉で教育が行われています。

    次に使われているのが現地語です。これは地域や文化によって異なる言葉が使われているようです。その中で台湾の中でもっとも広く使われているのが台湾語(台語[タイユゥ])です。続いて台湾の客家(ハッカ)人が使っている客家語や各地域の原住民が使っている固有の言葉があり、学校や職場などでは普通語、家庭内や地元での生活では現地語といった使い分けがされています。
     
    また、一時期まで台灣の学校では普通語のみが教えられていたため、現地語を話せない子供が増えていました。近年、その教育方針が見直しとなり各地の小学校では現地語の教育が再開されています。そのため、世代によって話せる言語に違いができているようです。
     
  2. 台湾語(台語)の由来
     
    台語は主に17世紀初頭に大陸の福建(閩)の南部から台湾に渡って来た人々が使っていた「閩南語[ミンナンユゥ]」が元になっています。一般的に台湾人は「台湾語」とは呼ばずに「台語[タイユゥ]」と呼ぶことが多いようです。

    同じ福建でも、台湾北部には主に泉州から来た人々が住み、中南部には漳州から来た人々が住みました。この2つの都市の発音「泉州音」「漳州音」は言わば方言で、所々違っていた為、後の台語も台湾北部と中南部で部分的に異なっているとの事です。今は「泉州音→“北部音”」「漳州音→“中南部音”」と呼ばれています。
      
  3. 台湾語の漢字表記
    台湾語は台湾普通語(北京語)と同じように漢字で表記されます。ただし現在の普通語の漢字とは異なる漢字が使われることが多く、多くの台湾人は漢字を意識せずに話していることが多いようです。
     
  4. 台湾語の発音記号
     
    台湾では一般的に台湾普通語(北京語)の発音を表記する際に注音(チュウイン)と呼ばれる発音記号を使用しています。

    台灣(tái wān)(ㄊㄞ´ ㄨㄢˉ)

    しかし台湾語の発音については、一般的に注音は用いず、ローマ字を使って表記することが多いようです(台湾小学校の台湾語の教科書では、ローマ字が使われている)。

    また、このローマ字は、台湾にキリスト教を普及させるために宣教師が用いたという背景があるため、「教会ローマ字」と呼ばれることがあります。
     
    教会ローマ字についても表記方法は何種類かあるようですが、ここでは